ババのきもち。

桃月庵白酒WEBラジオ「白酒のキモチ。」からのスピンオフ連載。
ざぶとん亭風流企画の馬場さんの“独り言”、毎月更新します。ぜひお楽しみください。
感想お待ちしています~。

2026/04/11

『白酒さんとのズレズレ日記』 其の十七 2026年4月11日

 4月です。落語界、新鮮な才能がどんどん開花してますね。真打挑戦や披露目に駆けつける人々の表情も喜びに満ちて日に晴れやか!
 かく言う僕も、落語協会の真打披露目の一体となった高揚感や個々の修行の成果に驚いたり、落語芸術協会の新真打発表を喝采したり、五代目円楽一門会に吹く新鮮な風を楽しんだり、立川流の披露目や真打トライアルの質の高さに感心したり、とても刺激を受けてます。

 真打昇進なった皆々さん、おめでとうございます。

 そして、祝福を贈りたいのは新真打の皆さんばかりじゃありません。立川笑二さんの真打を認める立川談笑師匠の言葉に感動しました。

『 角(つの)を矯(た)めて牛を殺す 』

 小さな欠点を咎め過ぎて大きな才能を潰してはならないという意味だそうです。師匠として厳しいばかりではなく、こういった大らかな心が才能を育てるんですね。特に立川流に於いては、この言葉は新しい箴言としてお弟子さんたちの可能性を広げていくような気がします。

 こういった哲学を持つ師匠方はどの一門にもいらっしゃる。そんな師匠方にも祝福を、でございます。

 4月の寄席、我らが桃月庵白酒師匠は、池袋演芸場上席の昼トリ。僕は3日目、5日目、7日目の3回通いました。ずっと大入りでしたよ。流石ですね。客席でいろんな方にお会いしましたよ。キモチルさんもいらっしゃるし、久しぶりに平山秀幸監督ご夫妻にも会えて嬉しかったなあ。
 演目のことをちょっと書きますね。愚政でストレスが溜まりまくる現代だからでしょうか、スマートに風刺の効いた白酒落語が面白くってたまらない。

 3日目の『百川』は、マクラからの笑いをそのままキープしてダダーっと本編へ。とぼけてちょこっと挟む時事ネタのキレの良さ。途切れることのない可笑しさの連発でした。

 5日目は『花見の仇討ち』。花見のご趣向が頓挫してゆくテンポが、まさに白酒流スラップスティック! 特に今回はラストシーンで本物の侍が助っ人に入ってくるのを察知して逃げ去る三人の疾走感が凄かった! 疾走する男たちの姿を想像しながら、あぁこのリズムは三人だからこそだなと感じましたね。親戚の爺さんに引き止められた六部役が居ないことで成り立つ三拍子。三拍子と言ってもズン・チャ・チャの優雅なワルツじゃなくて、もっと速いヘミオラってリズムになると二拍子っぽくなるんです。白酒さんの好きなエミール・クストリッツァ監督のバンドのウンザウンザ・ミュージックの疾走感のあるリズムを思い出します。
 ことによると、真のロックファンである白酒師匠にしか描けないグルーヴ感かもしれません。笑いをスピードに乗せて!とてもよく出来た設定です。

 7日目は『化け物使い』。笑わせる難易度の高い噺をぐいぐいと。現実の世界にも居そうなケチで命令ばかりするお偉いさん。色んな姿に化けながらも使われてしまう狸さんに同情したくなります。
 それにしても、引っ越し前に旦那に説教して辞めていったあの使用人さん、あれだけ押しつけられたノルマをこなし、それ以上の仕事をやってのけてたよね。彼こそ、化け物や旦那以上のスーパーマンなんじゃないかと、後からクスクスと笑いが込み上げてきちゃいます。

 落語の国の住人さん、この春ますます大活躍。

 さあ皆さまもご一緒に、寄席へ、ホール落語へ、はたまた蕎麦屋の2階や珈琲の美味いカフェへ、落語が聞こえる場所ならどこへなりと出かけることにいたしましょう。



■落語協会 令和八年 春 真打昇進襲名披露興行 
https://www.rakugo-kyokai.jp/news/q9esnuh8r67

■落語芸術協会 令和八年五月 真打昇進披露興行スケジュール 
https://www.geikyo.com/new/detail?id=815

■五代目円楽一門会HP 
https://5enrakuichimonkai.jp/

■落語立川流HP 
https://tatekawa.info/